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2018.08.23 Thu

TOKYO WHEELS

【読み物】ジャージの話をしようと思う(第②話)

久しぶりの読み物シリーズ。ネタは山ほどあるのだが、執筆が追い付かない。
(「〇〇の話」のアーカイブはこちらから

前回に引き続き、今回もジャージネタ。クローゼットの中、私服よりもジャージやビブの方が圧倒的に数が多くなってしまい、もはや「私服とは何なのか」という哲学的な問題に直面してしまった私が自信を持ってお送りするこのBlog。

第二弾としてピックアップしたのが7meshのHighline Jerseyだ。

唐突に挿入される公式のイメージ画像。そう、この外人さんが着ているジャージこそ、今回紹介するHighline Jerseyである。

何故このジャージを紹介することにしたのか。それは、このジャージが一般的なサイクルジャージとは全く異なるアプローチで作られたものだから、である。
これからするのは「レインウェア」ではなく、「サイクルジャージ」の話だ。

= = = = = = =

サイクルジャージは、一般的にはロードレースに出場する選手が着用するもの。野球選手には野球の、サッカー選手にはサッカーのユニフォームがあるように、ロードレーサーにはサイクルジャージという「ユニフォーム」がある。

時には70~80km/hという速度域で走ることもあるロードレーサー(サイクリスト)にとって、その最大の敵は「空気抵抗」と言われている。一方で、山岳ステージでは低速域で強い運動強度をこなさなければいけない。そんなときには、汗を素早く吸って乾かす、という能力が求められる。ピタピタでなくてはいけない上に、汗はすぐ乾かさなくてはいけない。サイクルジャージは大変だ(笑)

ASSOSもPISSEIもPNSも、どのメーカーもこうしたジャージ作りをしている一方で、7meshは違う。アウトドアを背景に持つブランドである彼らにとって、「水濡れ」という行為は「死」につながるマイナスイメージなのである(山では「いかに濡れずに済ますか」とか「濡れてもいかに体温を奪われないようにするか」が重要らしい)。彼らの場合、汗(水)で濡れないで快適に過ごすにはどうするべきか?というアプローチでサイクルジャージを作っている。そして、このDWR(超撥水)加工が施されたHighline Jerseyが誕生した。



この画像は、私物のHighline Jerseyを手洗いするときに撮ったものだ。驚いた。ジャージがしっかり水を弾くのだ。それも、軽撥水というレベルではなく、がっつり撥水している(もちろん、しばらく手で沈めて置けば水に浸かる)

実はこのジャージを買おうと決めたのには、2つの理由があった。1つは単純に色(発色)がいいから。そしてもうひとつは、「サイクルジャージが水を吸わないって、どうなるんだろう?」と疑問に思ったからである。

普通であれば、汗はベースレイヤーを介してジャージに吸い上げられ、走行中の風によって発散していくが、このジャージは汗を吸わない。つまり「かいた汗はどこへ?」となる。

答えは割とすぐに出た。汗はすべてベースレイヤーを伝ってビブに吸われていく。これにより、上半身はほとんど濡れていないという状態が発生するのだ。

不思議なことに、肘から手首にかけては凄い量の汗をかいているのに、袖は濡れていない。ビブも塩を吹くほど汗をかいているのに、ジャージは涼しい顔をしていた。

さらに。このジャージが本領を発揮するのが、雨に降られた場合だ。


この画像は、先日の盆休みに宮崎で走り回っていた時のもの。ゲリラ豪雨にやられ、散々な目に遭って山から麓に降りてきたときのものだ。


この写真で分かってもらえると思うが、結構しっかり降られた。サドルバッグの中もびしょ濡れだし、スペアタイヤを入れているツールボトルの中からも水が出てきた。靴下もシューズ内もビショビショで最悪だった。


しかし!ジャージは全く濡れていない。これには驚いた。


もちろん、リアホイールから巻き上げた水が一定時間かかり続けた背中の一部はちょっと濡れてしまっているが、「ちょっと濡れてしまっている」レベルである。これはすごい。

山を15kmほど登ったあとに、標高500mから標高50mまで20kmほど下ってきて、このコンビニで写真を撮ったのだが、普通であれば汗で濡れ、雨で濡れて、気温もさほど高くない状態で20kmのダウンヒルなんて不可能だろう。この日はウィンドジャケットもレインジャケットも持ち合わせておらず、土砂降りの時は自殺の名所と言われていたダムの事務所の軒下で雨宿りし、しかもスマホは圏外。本当に、万事休すかと思った。

しかし、雨が小康状態になってから走り出し、無事に麓までたどり着けたのはこのジャージが水を吸わず、体が濡れなかったからに他ならない。

レインジャケットやその手の防水素材ではないので、風は通すし、蒸れない。サイクルジャージなのに、水を吸わない。本当にこれは素晴らしい機能だと感心しっぱなしだ。ジャージが水分を含まないということがここまでメリットになるとは思っておらず、まさに目から鱗だった。

ちなみに。

私のように細い人間が着てもピッタリフィットするし、なにより袖が少し長めで今のトレンドに合っている、というのもある。縫い目がほとんどない「熱圧着」による仕立てなので、縫製部分が当たるゴロつき感もない。着心地が「素肌に近い」感覚というのも、重要な要素だ。特に、袖に関しては素晴らしいほどの肌へのフィット感。首回りも優しい着心地。この機能でこの値段はなるほど、納得である。


週末の乗鞍、天気次第ではASSOSではなくこのジャージで走るかもしれない・・・。

モガワ

この記事を書いた人

オガワ

自転車が好きすぎてTOKYO WHEELSで働き始めてしまった自転車バカ(坂バカ)。今ではお店に立つことはほとんどなくレアキャラ化しており、基本的には中の人として仕事に従事。様々なサイクルウェアブランドの仕入れを行い、実際に身に着けて走る中で、それぞれの良さを見つけ出し情報発信し続けていく。

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