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2019.02.07 Thu

Tokyo Motorist

『MOTO NAVI』創刊秘話その2 「ビューエルでの沖縄旅からモンキーでの釣り場巡りまで、5つのツーリング記事に込めた思い」

前回、2001年に発売した『MOTO NAVI』創刊号の制作にまつわる話を書いた。

書き始めたら思いのほか長くなってしまい、俳優の鈴木一真くんに出演してもらった沖縄ツーリング取材の話だけで終わってしまった。

本当は巻頭の特集「そうだ、ツーリングに行こう」について書きたいと思っていたので、今回は「5つの旅」のうちの残り4つについて、エピソードを書こうと思います。

4つあるので、ちょっと駆け足で……(笑)

2つ目のツーリングは、BMWのR1200GSで四国へ行った。当時、僕と一緒にMOTO NAVIの編集をしてくれていたフリーランスエディターの田村十七男(トナオ、と読む)さんが取材した記事だ。

ちなみに創刊して数合のMOTO NAVIは、ほぼ僕と田村さん、二人で作っていた。そういう意味ではMOTO NAVIにとっての大恩人でもある。

「BMWで辿る麺ロードの旅」と題したツーリングは、四国で蕎麦、うどん、ラーメンをめぐっている。讃岐うどんの名店「山越」、秘境と言える祖谷(いや)の「いこい食堂」、徳島ラーメンの「いのたに」だ。

僕はこの記事でいちばん気に入っているのは、最初のページで「山越」の従業員のみなさんとBMWが一緒に写っている写真と、それに添えた「山越のお母さんは、一杯90円のうどんに情熱を傾けていた。」というタイトルだ。

このフレーズ自体は、本文の中で田村さんが書いている言葉なのだが、僕はこれがとても気に入って、そのままタイトルに使った。この写真とタイトルの組み合わせは、MOTO NAVI創刊号の中でもベストではないか、と思っている。

僕はこの記事を構成する五條伴好さんの写真を見て、田村さんの原稿を読んだとき「MOTO NAVIは絶対いい本になる」と確信した。

 

写真だけで構成した沖縄ツーリング、そしてオートバイそのもののことは書かず、旅先で出会った人たちとのふれあいを綴った四国ツーリング、この2つの記事が、その後も続く「MOTO NAVIらしさ」の源になっていると思う。

うーん、駆け足……と言ったのにやっぱり長くなっちゃうな。まあ、いいか(笑)

3つ目のツーリングは「国産ビッグスクーターで海までデイキャンプ」。

これは、MOTO NAVIをいろんな価値観を取り入れた本にしたい、という思いからの企画だ。

バイク乗りは、スクーターのことを「別物」のように見ているところがあって、どこかで「ギア付きのバイクに乗ってないとね」という意識があるように思う。

でもMOTO NAVIでは、ビッグバイクもスーパースポーツもビッグスクーターも、同じように扱いたかった。それぞれに面白さ、魅力があると思ったからだ。

伝えたかったのは「スクーターはRVだった」というタイトルのように、快適に移動できてシート下スペースなどのユーティリティに優れるビッグスクーターは、使い方によってとても便利で楽しいコミューターになるということ。

ちなみにこの取材ではタープ、クーラーボックス、ツーバーナーなどの道具を満載して、海までキャンプsに出かけた。じつはあまり天気がよくなくて、写真が寒々しいのが残念だったんだけど(涙)。青空だったら最高だったろうなあ。

この記事に出演してもらったのが、当時ハーレー専門誌で人気者になっていた国井律子さん。

国井さんはこのとき以来、MOTO NAVIには欠かせないキャラクターになった。

じつはこのとき初めてビッグスクーターに乗った国井さん。その便利さに感激して、このあと本当にマジェスティを購入してしまったという後日談がある(笑)。

国井さんファンの人なら、彼女がスポーツスターとマジェスティを愛車にしていたのを知っているかもしれないが、そのきっかけはこの取材にあったのだ。

4つ目のツーリング。これは僕自身が取材と原稿を担当した。

MVアグスタというイタリアのバイクで深夜の都会を走るという「夜から朝まで」。

僕は記事のタイトルを付けるとき、ちょっとカッコつけた、歌のタイトルか小説の題名か、というようなフレーズを好むのだが、この「夜から朝まで」なんていうのはまさにそれだ。

僕が勝手に師匠と仰いでいる、片岡義男さんから受けた影響も大きい。たぶん僕と同世代のバイク好きならわかるだろう。

それにしてもあらためてこの記事を読むと、我ながら「肩に力が入ってるなあ〜」と思う(^_^;)

なにしろ出だしの一文が

その夜は寒かった。

である(笑)。

ちょっと恥ずかしい(汗)

 

それはともかく、このときに乗ったのは、99年に登場したMVアグスタF4の「セリエ・オロ」。

イタリア語で「シリーズ1」を意味するこのセリエ・オロは、世界300台の限定モデルで、日本では580万円で発売された。

“二輪のフェラーリ”とも言われたこのMVアグスタは、ぜひこのMOTO NAVIに登場させたかったバイクだった。

なんとかツテをたどって、オーナーから1日だけ貸していただいたのだ。

取材は12月だったが、写真の見栄えを考えアウターはタイトな革ジャンだけで乗ったので、めちゃめちゃ寒かった。じっさい夜の10時ぐらいに編集部を出発し、首都高をぐるぐると回って朝方まで撮影した。

写真もカッコよく撮れたと思うが、それ以上にこの記事を印象的なものにしているのはぺーじの「デザイン」だと思う。

最初の見開きは映画のスクリーンのイメージ。

横長の写真の上下を真っ黒に潰している。大胆なレイアウトだと思う。本文を階段状に配置したのも面白いと思う。デザイナーも一緒になって、このMOTO NAVIを今までにないバイク雑誌にしようと考えてくれていた。それが表れているページだ。

そして特集の最後、5つ目のツーリングは「東京釣り日和」。

 

前の「夜から朝まで」とは一転、いきなり力の抜けたほのぼのした雰囲気。

これも先の「ビッグスクーターはRVだった」と同じで、大人向けバイク雑誌だからといって、大排気量のオートバイだけが出てくる雑誌にはしたくない、というこだわりというか、単に僕の天の邪鬼さというか、そういう気持ちの表れだ。

モンキーに乗って都内の釣りスポットをめぐってくれたのは、当時「NAVI」編集部の同僚だったサトータケシくん。サトーくんはいま『GQ JAPAN』などさまざまなライフスタイル誌やウェブで記事を担当している売れっ子ライター/編集者となっている。

ウィットに富んだサトーくんの文章もさることながら、扉ページの写真がとにかくいい感じだ。180cm級の長身のサトーくんがモンキーに跨った姿は、さしずめサーカスの熊さん(ごめん!w)。

ちなみにサトーくんによる原付きツーリングは、この後のMOTO NAVIで「普免ライダー(フメンライダー)」という人気企画になる。普通免許(つまりクルマの免許)しか持っていないライダー、という意味だ。もちろん「仮面ライダー」を文字ったダジャレ(オヤジギャグ)である。

鈴木一真くん×ビューエルの沖縄ツーリングで始まり、モンキーで釣り場めぐりで締める、この落差というか温度差というか幅の広さ。カッコよくて、強くて、優しくて、便利で、笑えて、泣けて。この特集には僕の考える“オートバイの魅力”を詰め込むことができたのではないかと、今さらながら思う。

いやあ、すみません。やっぱり長くなった(^_^;)

でも書いてるうちに、いろんなことを思い出してきて、MOTO NAVI創刊号についてはまだまだ書きたいことがあるなあ、と思っています。

とはいえ、こればっかり書いている訳にはいかないので、少し間をあけて、そのうち書きます。

だって、片岡義男さんに書き下ろしてもらった小説のこととか、書きたい!(笑)

最後に、MOTO NAVI創刊号のラストを飾った「エピローグ」のページ。

これはこのMOTO NAVIを出版した「二玄社」の前で撮影された、かつて「カーグラフィック」編集部員のバイク好きで結成されていた“水曜日クラブ”メンバーの写真。

「昭和50年、千代田区神田神保町にて」とある。

写っているのは著名な自動車ジャーナリストの吉田匠さん、CG編集長だった熊倉さん、NAVI創刊編集長の大川さんなど、錚々たるメンバーだ。

このノスタルジックな写真を雑誌の最後に載せようと思ったのは、単なる思いつきではあるけれど、こうして見ると「もういちど、オートバイと暮らす。」というコピーとよく合っていて、なんだかちょっとした広告みたいだ。

表紙から最終ページまで、徹底して自分のこだわりを貫いたという意味で、このMOTO NAVIは僕の編集者人生の中で、間違いなく記念碑的な一冊だったと思う。

そしてこの本が、多くの人に読まれ、愛されたことを誇らしく思っています。

また思い出ばなし、書きますね(^^)

いいかな?(笑)

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

カワニシ

雑誌「MOTO NAVI」「NAVI CARS」の創刊編集長を務め、クルマやバイクのある生活の「楽しみ」を発信し続ける。現在はエディター、ライター、コメンテーターなど幅広く活動。
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