UPDATE:2010.04.21
自転車乗り以外にも愛好者が多い
人気ブランドnari/furi(ナリフリ)ロングインタビュー【前編】
今、自転車ブームにも相まって、非常に勢いのあるブランド「nari/furi(ナリフリ)」にインタビューしてきました。

-今日はナリフリの立役者であるお二方に登場頂きます。デザイナー小林さんと営業の市村さん。世間ではナリフリ=小林、というイメージが結構強いようですが、僕は市村さんの担う役割って実は結構大きいと思っています。ということで、是非お二方に登場頂きたい、と思った次第です。
では早速ですが、ナリフリというブランドのコンセプトについて教えてもらえますか。
小林(以下、小) コンセプトは「自転車をスタイルに。」ですね、簡単に言うと。そう言うと自転車用の服?と聞かれる事が多いのですが、僕の場合はちょっと逆のアプローチかもしれないです。もともとは自転車が好きで、その時に着れる服が欲しい、ということだったんですが、作ってみたら、自転車以外にも使える機能的な服が出来上がったんです。
なので、今は「これを着て自転車に乗りたくなるという人が増えればいいな」という思いで服作りをしています。それが今はブランドコンセプトですね。僕なんかも最近では、自転車用に作ったストレッチパンツしか履かないですもん。普段から。(笑)
-あ、わかります。僕も最近普段のデニムとかでもストレッチきいてないと買わなくなりました。昔は体をファッションにあわせて無理してたんですが、今は「服が俺の体にあわせろ。」みたいな。年のせいもありますが。(笑)でも最近のストレッチ系の服って昔みたいにださくない。むしろかっこいいのが多い。
一方で最近小林さんの話聞いてると「自転車」だけがキーワードじゃなくなっているように聞こえます。その辺は?
小 はい。そうですね。自転車をテーマに服を作り始めたのは確かなんですが、それを自分で普段着るようになって、そうすると段々と”自転車の為に”という括りがぼんやりしてくるんですね。別に自転車の為にじゃなくていいじゃん。着心地が良く、かっこいい服であれば、と。
先日Bicycle NAVIとTOKYO Wheelsとコラボレーションで作らせてもらったグレージャケット、タータンチェックシャツ、ソリッドシャツ、ストレッチスリムデニム、なんかは全く自転車仕様になってないですよね。(笑)
もちろん、ストレッチが効いてる、とか吸湿速乾、洗えるとか最低限の自転車機能は抑えていますが、それって別に自転車用だけのものでも無い。自転車乗ってなくも欲しい機能だし。だから自転車という括りだけにこだわる服作りをするつもりは無いんです。もちろん生活のシーンとして必ずでてくる自転車”にも”乗れる服にはなるでしょうけど。
-なるほど。僕が初めてナリフリを見たのは恵比寿にあるまだ小さいオフィスの時でしたね。あれはいつの時期でしたっけ?
市村(以下、市) あれは2008年ですから、二回目の展示会が終わった直後ぐらいかな?
-あの時にオフィスに行って、一番目を引いたのはサンプルとして置いてあったメッシュマウンテンパーカです。あれは衝撃でした。着てみても、そのシルエットの美しさにさらに衝撃。というよりは、存在感?に?オーラ?結局最終的にコラボレーションで作った黒のメッシュマウンテンパーカを今も良く着てますけど、初めて見る人に確実に褒められる。「かっこいいね、それ。どこの?」
僕はこのマウンパが今のナリフリのマスターピースかな、と思いますが、どうですか?
市 そうですね。当時は実は結構大変な時期で、展示会が2回終わってたんですが、ほとんどオーダーがとれていない。次でしっかりオーダー付かないと借金だけ残って潰れじゃうぞ、この会社!みたいな。(笑)
-全然そんな雰囲気に見えませんでしたが。
市 痩せ我慢は得意なんです(笑)で、当時は自分達の作るものに自信はありましたが、核となるものがありませんでした。
今は笑い話ですが、始めに作ったのが大量のペダルバックル。今もバックパックやメッセンジャーバッグなんかでも使われていますが、このサンプルをいろんな種類で大量に作ってて、それこそ大きいのや小さいのや。で、最後に大きいの作り過ぎて、「これって普通のペダルと変わらなくね?」という所で、はっと我に帰ったり(笑)そんなことをしてましたから。
だから核となるアイテムは欲しかったし、でも仕掛けるのは嫌だったので、必然の中で生まれた、と今も思ってます。必要の中からしか長く生きる製品は生まれないと思います。
小 あるメッセンジャー会社の社長と話してる時に「普通のマウンパは蒸れる!」という話を聞いていて、じゃあ、ベンチレーションをどうつけるか、という事を考えていたんですが、その時はたと「前面全部をベンチレーションにしちゃおう。メッシュだ!」という事で思いついたんです。前面をメッシュにすると雨が降れば水でびしょびしょですから、既存のマウンパの概念からすると全く意味を成さない。いいのか?これ?という所もあったんですが、でもやっちゃいました。
今考えれば、アウトドアの過酷な場所で使うのではなく、自転車を街で乗る、という耐水耐風よりも通気性が重要視される場面なんだから当然だったんです。
市 その後、展示会でこのメッシュマウンパとバッグが非常に好評でして、厳しい状況からはなんとか抜けられたんですよ。その直後にBICYCLE NAVIともメッシュマウンパで黒と赤の第一回目のコラボレーションをやらせてもらって、これが爆発しましたね。
-ですね。それが僕が今日着てきたこの黒メッシュマウンパです。4万弱、と決して安くは無いこのアイテムがどこまで売れるのか。うちも社運をかけて勝負しましたよ。河西編集長も持ってるので、たまに二人でおソロになります。(笑)
これが成功したので、気を良くして2回目のバイシクルスーツ、そして今回のバイシクルジャケパンスタイル、と続くわけですけどね。
小 実はバイシクルスーツの大元となるバイシクルスラックスは2回目の展示会で出してたんです。大ゴケでしたけど。全然売れなくて。(笑)
-え?そうなんですか??なんでまた??
小 僕はアマノジャクなんですかねぇ。なんか作りたくって。僕は今でも気にいって履いてますけど、サンプルで作ったものを。あと今一緒に働いてるケンケン(注:ナリフリスタッフ尾形さんの事)も当時気にいって買ってくれたんですよ。今日はいてるのそうでしょ?(ケンケン:「はい。」)
-やっぱりコラボレーションって、ブランド側にそのアイデアの種が無いと上手くいかないって事でしょうね。
・・・
今回はnari/furi(ナリフリ)のブランドの生い立ちやコラボレーションに至る経緯をお聞きしました。次回は小林氏や市村氏の人間性にぐっと迫り、今後のナリフリの方向性などについてもお聞きします。(後編に続く)
text by mori
▼nari/furi(ナリフリ)のアイテム一覧はこちら
▼後編を見る
では早速ですが、ナリフリというブランドのコンセプトについて教えてもらえますか。
![]() 小林さんが着ているのは、nari/furi チェックシャツ。 |
なので、今は「これを着て自転車に乗りたくなるという人が増えればいいな」という思いで服作りをしています。それが今はブランドコンセプトですね。僕なんかも最近では、自転車用に作ったストレッチパンツしか履かないですもん。普段から。(笑)
-あ、わかります。僕も最近普段のデニムとかでもストレッチきいてないと買わなくなりました。昔は体をファッションにあわせて無理してたんですが、今は「服が俺の体にあわせろ。」みたいな。年のせいもありますが。(笑)でも最近のストレッチ系の服って昔みたいにださくない。むしろかっこいいのが多い。
一方で最近小林さんの話聞いてると「自転車」だけがキーワードじゃなくなっているように聞こえます。その辺は?
![]() |
先日Bicycle NAVIとTOKYO Wheelsとコラボレーションで作らせてもらったグレージャケット、タータンチェックシャツ、ソリッドシャツ、ストレッチスリムデニム、なんかは全く自転車仕様になってないですよね。(笑)
もちろん、ストレッチが効いてる、とか吸湿速乾、洗えるとか最低限の自転車機能は抑えていますが、それって別に自転車用だけのものでも無い。自転車乗ってなくも欲しい機能だし。だから自転車という括りだけにこだわる服作りをするつもりは無いんです。もちろん生活のシーンとして必ずでてくる自転車”にも”乗れる服にはなるでしょうけど。
-なるほど。僕が初めてナリフリを見たのは恵比寿にあるまだ小さいオフィスの時でしたね。あれはいつの時期でしたっけ?
市村(以下、市) あれは2008年ですから、二回目の展示会が終わった直後ぐらいかな?
-あの時にオフィスに行って、一番目を引いたのはサンプルとして置いてあったメッシュマウンテンパーカです。あれは衝撃でした。着てみても、そのシルエットの美しさにさらに衝撃。というよりは、存在感?に?オーラ?結局最終的にコラボレーションで作った黒のメッシュマウンテンパーカを今も良く着てますけど、初めて見る人に確実に褒められる。「かっこいいね、それ。どこの?」
僕はこのマウンパが今のナリフリのマスターピースかな、と思いますが、どうですか?
市 そうですね。当時は実は結構大変な時期で、展示会が2回終わってたんですが、ほとんどオーダーがとれていない。次でしっかりオーダー付かないと借金だけ残って潰れじゃうぞ、この会社!みたいな。(笑)
-全然そんな雰囲気に見えませんでしたが。
![]() |
今は笑い話ですが、始めに作ったのが大量のペダルバックル。今もバックパックやメッセンジャーバッグなんかでも使われていますが、このサンプルをいろんな種類で大量に作ってて、それこそ大きいのや小さいのや。で、最後に大きいの作り過ぎて、「これって普通のペダルと変わらなくね?」という所で、はっと我に帰ったり(笑)そんなことをしてましたから。
だから核となるアイテムは欲しかったし、でも仕掛けるのは嫌だったので、必然の中で生まれた、と今も思ってます。必要の中からしか長く生きる製品は生まれないと思います。
小 あるメッセンジャー会社の社長と話してる時に「普通のマウンパは蒸れる!」という話を聞いていて、じゃあ、ベンチレーションをどうつけるか、という事を考えていたんですが、その時はたと「前面全部をベンチレーションにしちゃおう。メッシュだ!」という事で思いついたんです。前面をメッシュにすると雨が降れば水でびしょびしょですから、既存のマウンパの概念からすると全く意味を成さない。いいのか?これ?という所もあったんですが、でもやっちゃいました。
![]() |
![]() メッシュサイクルパーカの黒はB-NAVIの河西編集長も所有。 |
市 その後、展示会でこのメッシュマウンパとバッグが非常に好評でして、厳しい状況からはなんとか抜けられたんですよ。その直後にBICYCLE NAVIともメッシュマウンパで黒と赤の第一回目のコラボレーションをやらせてもらって、これが爆発しましたね。
-ですね。それが僕が今日着てきたこの黒メッシュマウンパです。4万弱、と決して安くは無いこのアイテムがどこまで売れるのか。うちも社運をかけて勝負しましたよ。河西編集長も持ってるので、たまに二人でおソロになります。(笑)
これが成功したので、気を良くして2回目のバイシクルスーツ、そして今回のバイシクルジャケパンスタイル、と続くわけですけどね。
小 実はバイシクルスーツの大元となるバイシクルスラックスは2回目の展示会で出してたんです。大ゴケでしたけど。全然売れなくて。(笑)
-え?そうなんですか??なんでまた??
小 僕はアマノジャクなんですかねぇ。なんか作りたくって。僕は今でも気にいって履いてますけど、サンプルで作ったものを。あと今一緒に働いてるケンケン(注:ナリフリスタッフ尾形さんの事)も当時気にいって買ってくれたんですよ。今日はいてるのそうでしょ?(ケンケン:「はい。」)
-やっぱりコラボレーションって、ブランド側にそのアイデアの種が無いと上手くいかないって事でしょうね。
・・・
今回はnari/furi(ナリフリ)のブランドの生い立ちやコラボレーションに至る経緯をお聞きしました。次回は小林氏や市村氏の人間性にぐっと迫り、今後のナリフリの方向性などについてもお聞きします。(後編に続く)
text by mori
▼nari/furi(ナリフリ)のアイテム一覧はこちら
▼後編を見る
- 小林一将
Kazumasa Kobayashi
nari/furi代表
アメリカにてファッションマーケティングを学んだ後、イタリアブランドのPR,営業を担当。帰国後、アパレルメーカーにて営業、生産管理を経て独立。前職の社長から譲り受けた 自転車に影響され、自転車を通じて出会った市村氏と2007年nari/furi設立。
- 市村公人
Kimihito Ichimura
営業
学生時代より靴屋、洋服屋などで販売・バイヤーの経験を積み、自転車を通じて小林氏と出会い、2007年にnari/furiに参加。
お爺様が着物屋、またご両親・親戚も服飾業で、「絶対に洋服業と違う道に」と固い決心をしていたが、気が付くと洋服ブランドの立ち上げという王道をひた走っている。
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