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最初の東日本橋店から5年。三宿店への思いを語る。

東日本橋から、大阪、そして三宿。
森:
一番初めに店(東日本橋店)を出したのってなんでだっけ?
小林:
ショールーム的な?
森:
そうだね。ECをやっていく上で他の要素として大事なんじゃないかなって。やっぱりECだと(売り手の)顔が見えないから。試着できないんですかっていう声も聞くけど、試着してもらうために店を出すわけではないしね。そういうことじゃなくって、僕らの世界観をリアルに見せられる場っていうのを作ってみたかった、ていうのもあるし。
あとはやっぱり・・・プレス受けがいい(笑)
いや変な話だけど、やっぱりリアルなものがないと信じてくれない人がいるから、ECサイトって一段下に見られてるっていうか・・・。雑誌の人なんかもお店を出して初めて認めてくれる、みたいなのがあるからね。であればやるか、と。
でも東日本橋店は、良い物件が見つかったからやってみようか、って感じだよね。どっちかっていうと。
小林:
そうですね。こんな場所があるらしいけど面白そう、東側(東東京)が今熱いらしいって、そんな話がありましたよね。
森:
河西さん(*1)経由だね。それ以外にもいろんなとこから話は聞いていたけど。
*1:河西さん・・・河西啓介さん。ボイスパブリケーション CEO/元BICYCLE NAVI編集長/現MOTO NAVI、NAVI CARS編集長。
小林:
そうですね。自分も東側に出してみたいと思っていたし、うまく繋いでくれる人たちが、たまたま近くにいたっていうのもありますね。
森:
もともと河西さん含めて、東側が盛り上がってるという話をしていて、そのタイミングで3人でたまたま見つけた物件だったんだよね。はじめは冗談で店いいねーなんて話していて(笑)でも途中からスイッチが入っちゃって。やるか、ということになった。
それならオフィスも全部もっていこう!ってことになって、同じくらいのタイミングで河西さんも独立してこっちに移転してきたんだよね(笑)
1店舗目の東日本橋店はこんな流れでした。出すつもりはなかったけど、結果出したっていう。
─2店舗目の大阪店はどういった経緯でしたか?
小林:
2店舗目を出すか出さないかっていう漠然とした話の中で、じゃあどこに出すか?ってなってて。
その時から森さんは東京の西側が良いって言ってましたよね。でも自分はTOKYO Wheelsを日本全国に広めたかったから、東京以外が良いんじゃないかなって考えていて。そう考えると大阪しかなかった。
でも、なんで大阪なのに“TOKYO”Wheelsなんだ?って声もありましたよね(笑)
森:
そうそう、名前の件は結構悩んだね(笑)でも最終的にTOKYO Wheelsのままでいこうってなって。
あと(物件が)2回断られた。申し込み入れて、現地まで行ったのに断られた!だから小林に『こんなのありえないから、すぐ探せ!』と(笑)そしたら農林会館というめちゃめちゃ伝統のある建物に空きがでたんだよね。
小林:
それですぐ見に行って、これだな、ここしかないなと。しかも空いたのが路面だったので、その場ですぐに話をつけてきたんです。
偶然見つけた物件が、TOKYO WheelsとJedia複合店のきっかけに。
森:今回の3店舗目はいつから話してたっけ?半年前?
小林:
もっと前じゃないですか?1年以上物件探しましたもん。
森:
そうだ、今回も大阪店と同じで確か2回くらい断られたんだよね(笑)
もはやジンクスだよね。2回断られると、次良いのが出てくるっていう(笑)

それで小林がえらい広くて、えらい高いところ見つけてきて「これ良い物件っすよ、森さん」って。
最初はふざけんなよ、と(笑)
小林:
『森さん、やりますか?どうしますか?』と(笑)
森:
でもピンときちゃった。
小林:
で、上(2F)も空いてたから。勢いで借りちゃった(笑)
森:
それで今回のJedia(旧KEATON)出店だよね。
今のJediaって、お店を出す前のTOKYOWheelsと似ていて、お陰様で売り上げも上がってきているし、お問い合わせも多い。東日本橋のお店までわざわざ見に来て下さることもあるから(*2)、実店舗への期待も高まってきたっていうか。
*2:通常、東日本橋店・大阪店ではJedia商品の取り扱いはありませんのでご注意ください。
でも自転車向けの店舗と違って、Jediaはセレクト。言ってしまえば、メンズのセレクトショップなんてどこにでもあるから、セレクトのみで勝負する自信がなくって。ずっと実店舗は我慢していたんだよね。
でもさっき話した通り、最近はJedia実店舗への自信も出てきたし、そろそろやりたいな、って。
それに、やるならTOKYOlifeの提案する“ライフスタイル”を集約した施設にしたいなと思っていたんだよね。
だからTOKYO Wheelsとの複合店としてやるのは、ありだった。初めて三宿店の広さを見たときに、Jediaも併設させたら面白い店になるだろうなと、確信した。
3店舗目は最初、東日本橋店舗と同じくらいの規模で探していたんだよね。断られた2か所も、それくらいの大きさ。もしそのまま進んでいたら、今回の複合店の話はないし、じゃあJediaのみで店舗をやろうってなっていたら、実現するまでに相当時間がかかっていたと思う。
そういう意味ではタイミングだったのかな。
─今回、店舗の2Fではスイスのパフォーマンス系ブランドのASSOS(アソス)を取り扱うことになりましたよね。
森:
自分自身が自転車に乗っていると、乗れば乗るほどパフォーマンス系のウェアに興味が出てくるんだよね。
それで去年(2014年)フィレンツェでロードレーサーを見かけて、その人がえっらいかっこよかった!(*3)
色のセンスもいいし、とにかくかっこよかった。
*3:左の写真は『えっらいかっこよかった!』というフィレンツェのロードレーサー。
それを見て、やっぱ俺はかっこいい物しか着たくないな~と思って。その流れでASSOSやりたいと考えていたかな。

日本の代理店さんにその話をしたら、スイスに本社があるから行ってくださいって言われて。
だから今年(2015年)のPITTI UOMOの帰り、ユーロスターに乗って半ば強行スケジュールでスイスまで行ってきたんだけど、現地で実物を見たら、物がすっごく良かった。テストライダーがいるんだけど、その人たちもすごくかっこよくて。なんと言うか、みんな着こなしがかっこいいんだよね。
そういうの見てて、やっぱりASSOS良いな~と。そしたらその場で話がトントンで進んで『うち(TOKYO Wheels)でASSOSやりませんか?』って。そうしたら向うも『じゃあやりましょう』って。
もともと、幅広い自転車乗りに向けた洋服の提案、というのがTOKYO Wheelsのコアコンピだけど、本気のパフォーマンス系ウェアを取り扱うと、そこからズレちゃうんじゃないか?と懸念していて・・・。
だけど「かっこいいもの着たい」っていう延長線上ならASSOSもありだな、と。これだったらいけるな、と。
もちろん、パフォーマンス系は機能的な面があるから、単純な洋服の着こなしとは違う。だから、きちんと専門的なスタッフを置いて、機能や使い方の詳しい説明ができるようしたくて、今回新店舗の2FにASSOSの特設の売り場を作ることにした。
つまり、オンからオフまでだよね。Jediaもそう。
オンからオフまで使える商品を扱っているけど、常にかっこつけましょーよっていう提案なんです。

“わざわざ行きたくなるような店にしたい。”
─アクセスが決して良いとは言えない三宿。なぜ三宿にしようと思ったんですか?
小林:
なぜ三宿・・・たまたま?(笑)もともと三宿に良い物件があるのは知っていたけど、規模も大きいからスルーしてまして。
森:
前から気になっていた、とは言ってたもんね。
小林:
そうですね。「ここかっこいいけど、ちょっとな~」って。それで他をいろいろ見てたんですけど、三宿の物件はずっと気になってて。
三宿というエリアが気に入った理由は、何にもないから。何にもないって服屋が、ってことですけど(笑)
東日本橋の時もそうでした。今でこそいくつかお店があるんだけど、(東日本橋)に来た当初は本当になんにもなかった。
3店舗目は最初、千駄ヶ谷原宿渋谷エリアで探してたのですが、あのエリアはもともと服屋がある。お客様は来てくれそうだけど、果たして目的をもって来てくれるお客様はどれくらいかなって。
三宿って、飲食店が多くて昔の大人の夜遊びの場所ってイメージはあるけど、洋服屋って観点でみるとやっぱりまだまだ店が少ない。そういう街のほうが、目的をもって来てくれる。というか、目的をもって来てもらえるような店にしたいなって。
それに、目立つじゃないですか、簡単にいうと(笑)
なんでこんなとこに、こんな店が?って。便利な場所にあれば良いってものじゃないのかなって思うので。
森:
あとは三宿復興。
小林:
そんなこと言ったら怒られますよ!(笑)
廃れてませんから!そんな復興だなんて(笑)
森:
いやいや(笑)そういうことじゃないけど(笑)でも昔に比べたら、ね。
小林:
西麻布、三宿って昔の大人の遊び場って感じですよね。
森:
そうだね。西麻布に似てるよね。
小林:
辺鄙な場所なんだけど・・・人を呼べる力がある街、っていうか。
森:
たぶん今の20代の人たちは、肌感覚での三宿の良さって、あんまり分からないんじゃないかな。
三宿って本当にブランドだった。夜遊びの街。もともとはね。いけてる大人の社交場・・・っていうか。車持ってて、地場に詳しくないとなかなか来れない場所で、敷居が高かったよね。
当時は女の子に「三宿、西麻布行こうぜ」って言うのは、格好いい、いけてる男にしか言えない台詞っていうか。
でも今は「三宿ってどこ?何があるの?」って感じ(笑)
そういう意味での復興っていうのかな。
俺は地の力というか、地場の力を信じていて。風水とかはまったく興味ないんだけど・・。1店舗目の東日本橋だってもともと糸系の問屋さんで商売がすごく成功した場所。
歴史上何も成功のない街に行くよりは、成功経験のある場所の方がいい。それは交通の便なのか、人の流れなのかは、わからないけど。絶対に、何か土地がもっている力っていうものはあると思う。
そういう意味では三宿もそうなんじゃないのかな。盛り上がる可能性はあると思っているから。
別に夜の社交場をもう一回つくろうってことじゃなくて(笑)三宿のエリアを活性化したい、ってことかな。
うちの店に来た後、近くで美味しいご飯を食べて帰ったりとか。手前味噌だけど・・少しでも三宿に人を呼ぶお店になれれば、とは思ってます。
─最後に、新店舗はどのようなお店にしていきたいと考えていますか?
人を呼べるお店にしたいな。わざわざ行きたくなるような店にしたい。ぶらっと行ける店ではないから。場所的にも・・・。
それと、僕らが三宿を楽しめるかどうか、ですよね。僕らもこれからもっと街のことを知っていくから、お客さんと一緒にこの街を楽しめるか。そこが一番重要かも。
森:
最初から店を作り込むつもりはなくて、ゆっくり固めていこうかなと思ってます。
最近の店って、見た目はかっこいいけど中身がからっぽってとこ、申し訳ないけど多いような気がして。とにかく、まずは作ってみて、徐々に形を決めていこうかなって。土地に合った雰囲気をみながら、ゆっくりゆっくり、じっくりじっくり作りあげていきたいかな。
でもやっぱ居心地がいい店にはしたい。そこに三宿らしさもプラスして、うちでの買い物以外にも楽しんでもらえれば!
てことで是非、三宿、そして僕らのお店に来てくださいね!(笑)