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UPDATE:2026.08.25

ZANONE(ザノーネ)のスタンドカラー ニットブルゾン「CHIOTO(キョート)」

読みもの版|【ニットなのにジャケットの仕事】毎年、秋一番に売れていくZANONEの定番"CHIOTO"。変わらない理由

Jediaの秋冬ニットで、最初に売れていくのはどんなアイテムだと思いますか?

クルーネックやタートルネックなど、薄手で着回しやすいニットをイメージする方も多いと思います。

ところが、実際に一番早く動き出すのはそういった薄手のニットではなく、ZANONE(ザノーネ)のニットブルゾン「CHIOTO(キョート)」なんです。


一見するとカーディガンですが、一般的なカーディガンとはひと味違う存在。今回は、そんなCHIOTOの魅力を深掘りしていきます。

ZANONEを象徴するモデル「CHIOTO(キョート)」

ZANONEの創業者、アルベルト・ザノーネ氏は、ウールの聖地として知られるイタリア・ビエッラで繊維について学んだ経験を持つ、素材へのこだわりが強い職人肌の人物です。

デザインだけを追求するのではなく、「糸」や「素材」そのものと向き合う姿勢は、現在のZANONEのものづくりにも脈々と受け継がれています。

以前ご紹介した「ICE COTTON(アイスコットン)」のように、独自性の高い素材を生み出していることからも、そのこだわりの強さがうかがえます。

そんなZANONEを代表するモデルのひとつが、「CHIOTO(キョート)」。ブランド自身がシグネチャーモデルと位置付けるほど、世界中で長く愛され続けている定番アイテムです。

5ゲージの詰め編み

CHIOTOは、首元までしっかりと閉じられるカーディガンタイプのデザイン。シンプルでありながら存在感があり、アウター感覚でも着られる汎用性の高さが魅力です。

そして、最大の特徴は”5ゲージ”の詰まった編み地。

一般的に5ゲージというと、ローゲージニットに分類されるような太めの編み地です。ローゲージニットといえば、ふわっとしたざっくり感や、モコモコとした温かみを楽しむものが多いでしょう。



ところが、CHIOTOは編み目をかなり詰めているため、生地にハリがあり、たるみにくく、型崩れもしにくい。さらに目が詰まっていることで風も通しにくく、ニットでありながら高い防寒性を備えています。

それゆえに、一般的なローゲージニットのような「ざっくりしたニット感」ではなく、まるでジャケットやブルゾンのような、端正で上品な生地感に仕上がっています。

カーディガンなのに、カーディガン以上

CHIOTOは、単なる「高品質なカーディガン」という言葉だけでは説明しきれません。

秋口には軽いアウターとして、冬にはコートのインナーとして使えるため、着用期間が長いのも大きなメリットです。さらに、毛玉ができにくく、手洗いにも対応できるなど、日常的に気兼ねなく着続けられる実用性も備えています。

そして、CHIOTOの人気が高まったことで、現在では似たデザインのカーディガンを展開するブランドも少なくありません。しかし、実際に袖を通してみると、その違いは明確。特に大きく差が出るのが、生地の質感や編み地の立体感、そして着たときのシルエット。

同じようなデザインで仕立てても、一般的なものはあくまで「カーディガン」。一方でCHIOTOには、アウターとしても成立する存在感と、ニットならではの柔らかさを併せ持った独自の存在感があります。

だからこそCHIOTOは、単なるカーディガンという枠には収まらない。「カーディガンなのに、カーディガン以上」という表現がしっくりくる一着なのです。

着回しコーディネート集

ここからは、そんなCHIOTOを取り入れたイタリアンカジュアルスタイルをいくつかご紹介します。

カジュアルなアイテムと合わせると、ジャケットのような品のよさをプラスしてくれるCHIOTO。いつものスタイルにも取り入れやすい、抜群の着回し力を見てください。

鉄板スタイル

INCOTEX(インコテックス)のパンツにFinamore(フィナモレ)のシャツ、そこにCHIOTOを羽織るという、もり氏が20年以上提案し続けている鉄板スタイル。

一見すると、決して奇をてらった組み合わせではありません。ところが、実際に合わせてみると驚くほど洒落て見える。シンプルなのにしっかりと様になる、ぜひ一度試していただきたいスタイルです。

ニットアンサンブル

冬が深まってきたら、インナーをシャツからニットに替えた”ニットアンサンブル”スタイル。

通常ニットオンニットは狙いすぎた印象になりがちですが、CHIOTOはアウターのような佇まいのため気負わずに取り入れられます。

グレージュのニットの上にネイビーのCHIOTOを合わせるスタイリングは、今年らしい着こなしでおすすめです。

着回し力の高さから一番人気なのはネイビーですが、次いで人気を集めているのがグレージュ。冬らしい温かみのある雰囲気を楽しみたい方や、カジュアルに着こなしたい方から特に支持されています。

また、シャツの襟とCHIOTOの襟が二重に沿うように見えるのも、格好よく見えるポイント。特に、台襟があり襟がきれいに立つシャツと合わせると、ぐっとイタリアらしい着こなしに仕上がります。

ワイドパンツやデニム合わせ

CHIOTOは、BERWICH(ベルウィッチ)のルカーノのような太めのワイドストレートパンツとも好相性です。

言っても、やはりニット。ジャケットであれば色柄やバランスの調整に気を遣う場面でも、ニットならではの懐の深さがカジュアルスタイルに難なく溶け込みます。それでいて、ジャケットを羽織っているかのような気品を足せる。

デニムとの組み合わせもおすすめ。特にYCHAIのようなイタリアンデニムとは相性がよく、カジュアルな着こなしにワンランク上の品を添えてくれます。

肩掛けニットとしての活用

CHIOTOは、肩掛けニットとしてもおすすめ。コーディネートのアクセントとして活躍します。

肩掛けするなら、薄手のものよりも、今の気分に合う厚手のざっくりニットを。少し肌寒さを感じるけれど、気温的にはシャツ一枚で十分。そんな秋の立ち上がりの温度調節にもぴったりです。

ネクタイ合わせの復活

近年、ジャケットにネクタイを合わせるタイドアップスタイルの機会は減ってきていますが、あえてCHIOTOのようなカジュアルなアイテムに、アクセサリー感覚でネクタイを取り入れるのもいい。

ジャケットに合わせるよりも気負わず、ほどよく新鮮な印象で楽しめる、今年改めておすすめしたい着こなしです。

ボタンアレンジで楽しむ、CHIOTOの着こなし

留め具はジップではなくボタン仕様。ボタンの留め方を変えるだけで、着こなしの表情を自在に変えられます。

シャツのボタンを2つほど開け、CHIOTOの襟をシャツに沿わせるのが、最もクラシックでかっこいい着こなし。反対に、一番上まで留めてハイネックのように着れば、ぐっとモードな印象に仕上がります。

ほかにも、上だけ留めて裾を開けたり、上を開けて中間のボタンだけ留めたりと、気分やスタイルに合わせたアレンジが可能。前を大きく開けて、さらりと着流すスタイルも様になります。

新登場の「メランジ」も要チェック

今回、こちらの“メランジ”タイプもオーダーしました。通常のCHIOTOと同じ5ゲージですが、やや緩めに編まれているため、糸の使用量が少なくその分軽量に仕上がっています。


単体で着ても十分に存在感があり、格好いい一着。通常のCHIOTOと比べると、よりニットやカーディガンらしい表情が強いのが特徴です。このあたりは好みが分かれるところかもしれません。

また、インナーとしてレイヤードする着こなしもおすすめです。INCOTEX(インコテックス)のドレスパンツに、ES:S(エス)のフェイクスウェードのサファリジャケットを合わせたスタイリングも、メランジならではの表情がレイヤード感をより際立たせ、着こなしに奥行きが生まれます。

さらに、インナーにモックネックを合わせてアンサンブルのように着こなすのもいい。シンプルながらも非常に上質な雰囲気に仕上がり、どこか高級ブランドを思わせるような洗練されたスタイルを楽しめます。

価格について

実はこれまでメランジを入れていなかったのは、通常のCHIOTOより価格が高く、価格差を考えるとオーダーしづらかったからです。

ただ、近年はCHIOTO自体の価格が上昇したことで、両者の価格差が以前よりも縮まってきました。そこで今回は、2着目としてメランジを選んでいただくケースも想定し、オーダーすることにしました。

とはいえ、CHIOTO自体の価格上昇も見逃せません。

近年、スローウェアグループ全体で価格の上昇が避けられない状況にあり、ZANONEも例外ではありません。その背景には、大きく2つの要因があります。

ひとつは為替の影響です。この6年ほどで、円はユーロに対しておよそ5割ほど安くなっています。

そしてもうひとつが、原毛価格の高騰。羊毛素材そのものの価格がここ30年で最も高い水準まで上昇しているうえ、世界的な羊毛生産量はこの10年でおよそ3割減少。一方で需要は増加しており、原料を取り巻く環境は厳しさを増しています。

多くのブランドがこうした状況に対し、原料の質を落としたり作りを変えたりすることでなんとか価格を据え置く努力をしています。

一方、ZANONEは2003年に資本が変わり買収された際、「品質水準を継続する」というコミットメントがなされており、原料も製法も基本的には変えずこれまでの品質を守り続ける。その代わりに、上昇したコストは価格にしっかりと反映されています。

その結果として価格は上昇していますが、品質を落として存続できなくなっていったブランドを数多く見てきた立場からすると、品質を守り抜くという選択にも十分な理由があると感じています。

実際、8月時点でのCHIOTOの売上は、全盛期と比べてもそれほど大きく変わっていません。かつて国内トップクラスの販売数を誇っていた時期と比較しても、8月の売れ行きはさほど変わらないんです。

もちろん、我々としても価格には慎重にならざるを得ません。それでも、いいものはオーダーしたい。だからこそ、今後も厳選してオーダーしていきたいと考えています。

そんな中で、価格が上がってもその品質や魅力を理解し、「良いもの」として納得して購入してくださる方がたくさんいることに、我々も安心しています。


また、テーラードジャケットが10~20万円近くまで値上がりしている現在の市場を考えると、ジャケットのように使えて、かつそれ以外の着こなしにも対応できるブルゾン感覚のアイテムが10万円前後で手に入るというのは、決して法外な価格ではないとも言えます。

これだけの品質のニットを作り続けていることを踏まえ、あらためてフラットな視点でその価値を見直してみる。そうすると、価格だけでは語れないCHIOTOの良さを改めて感じていただけるはずです。

まとめ

変わらない品質、変わらない作り、そして変わらない着心地。CHIOTOが毎年、秋の立ち上がりから多くの方に選ばれている理由は、まさにこの「変わらなさ」にあるのかもしれません。

価格が上がっても、その価値を理解し、変わらず選び続ける人がいる。それこそが、CHIOTOが長く愛されてきた理由であり、このモデルが持つ本質的な魅力の証明とも言えるでしょう。

気になっている方は、ぜひ早めにチェックしてみてください。

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